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院内職員向けにBLS研修を実施しました

2021年9月12日に当院内職員に向けたBSL研修を、救急看護認定看護師の主導により開催しました。コロナ下での研修となったため少人数制で午前と午後の2回に分けて開催しました。(※救急看護認定看護師の詳細についてはこちらから)

午前中は看護師やメディカルスタッフなど医療従事者向け、午後からは事務職員など一般市民向けといった内容で研修を実施しています。

今回の記事では、BSLと何か、どのような研修を行っているかについてご紹介します。

BLSとは

BLSは Basic Life Supportの略称で、心肺停止または呼吸停止に対する一次救命処置のことです。医療従事者ではない方でも処置を行うことができる、人命救助では重要な処置です。

医療従事者以外も処置できるとはいえ、いざ人命救助となるとなかなか思うとおりに動けないものです。「人命救助」という言葉が重く感じて、ひょっとすると処置に携わることを避けてしまうかもしれません。人命救助で必要なことは、正しい知識と適切な処置です。実技を中心としたトレーニングを経験することで、人命救助が必要な場合でも落ち着いて対応することが期待されます。

bls training

BLS研修の内容

前述のとおり、BLSは専門的な器具や薬品などを必要としないため、正しい知識と適切な処置の仕方を知っていたら誰でも行うことができます。ここではBLSの手順についてご紹介します。

先日掲載しています「【救急医療週間】誰でもできる!コロナ禍での最新心肺蘇生法」にも同様の手順が掲載されていますので、そちらも併せてご覧ください。

①周囲の安全を確認

目の前に倒れている人がいたら「すぐ助けないと!」と思うでしょうが、救助に入る前にまずは周囲の安全を確認しましょう

  • 車が走ってこないか
  • 救助先が崩れたりしないか
  • 頭上からものが落ちてこないか

など、自分の安全を確保してから救助に入ります。

 

②119番通報とAEDの準備

自分一人だけでは人命救助は難しいです。周囲の人に大声で叫んで助けを呼びましょう。119番通報とAED入手のために、2名以上確保できるのが理想です。

助けを呼んで来てくれた人にはっきりわかりやすく指示してください。「あなたは119番通報をしてください」「あなたはAEDを探して持ってきてください」と、短くわかりやすく指示しましょう。

 

③呼吸の確認

普通の呼吸が確認出来たら、回復体位(横向き)にして救急車を待ちます。

呼吸をしていない、または正常な呼吸でないと判断した場合には心肺蘇生法を開始します。呼吸があるかないか迷う場合には「呼吸なし」と判断します。

 

④心肺蘇生法の開始

以前は気道確保と人工呼吸まで行っていましたが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、胸骨圧迫(心臓マッサージ)だけ行います。

強く(5cmくらい沈むように)、早く(1分間に100回~120回)、絶え間なく(中断しない)しっかり元に戻すことが、上手な胸骨圧迫のコツです。

 

⑤AEDの使用(入手できた場合)

AEDは一般の人でも簡単に使えるよう、操作が自動化されています。電気ショックの必要性はAEDが判断しますので、音声ガイダンスに従って行動しましょう。

AEDの使い方

  1. 電源を入れる
  2. 音声指示に従う
  3. 音声指示に従う
  4. 電極パッドを胸に張る
  5. 自分と周囲が傷病者から離れていることを確認してから電気ショックボタンを押す

AED使用後はすぐに胸骨圧迫を再開します。

 

6 呼吸や心拍再開するまで心肺蘇生法を繰り返す

救急隊と交代するか、目的のある行動がでるまで続けます。

目的のある行動とは、

  • 胸骨圧迫を手で払いのけようとする
  • 眼を開ける
  • 起き上がろうとする

などです。

 

 

まとめ:職種を問わず人命救助に携わるために

BLSは特別な知識や薬がなくとも実施できる一次救命処置です。できるだけ早くBLSを行い、医療機関で二次救命処置に速やかに移行することで救える命があります。私たちは医療機関に勤務する職員として多くの職員がBLS研修を受けています。

BLS研修を終えた職員はネームカードにAEDマークがついています。いざというときにはどうぞご遠慮くなくお声がけください。

医療従事者向けBLS

一般職員向けBLS

 

国保水俣市立総合医療センター

救急看護認定看護師

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オンライン診療の実証事業

当院はくまもとメディカルネットワーク(以下、「KMN」と表記)を活用したオンライン診療の実証事業に取り組んでいます。例月一回を目安に久木野診療所にて実施している事業とは別に、今回医療センター外科外来にて介護施設を対象に実施されましたのでご紹介します。

今回の実証では市内介護施設に入所している患者さんのバイタルデータがKMNにて共有され、遠隔聴診対応ビデオチャットシステムを活用して受診される患者さんの容体を確認することができました。受診された方は慣れていないためかやや恥ずかしそうでしたが、普段過ごしている施設からの接続だからなのか、終始リラックスした様子で受診されていました。

 

 

過疎地域持続的発展支援事業の一部

本事業は総務省が進める「令和3年度過疎地域持続的発展支援事業」の補助を受けて実施しています。当院が中心となり、ICT技術を活用してオンライン診療及び看護支援等を介護施設や地域の医療機関等が連携して実施するものです。

本事業は水俣市、AMI株式会社と当院が三者協定を締結して実施しています。今年度では複数の事業を予定していますが、今回は介護施設や在宅療養者へ向けたオンライン診療を実施しました。オンライン診療を実施するにあたって、介護施設と綿密な打ち合わせを進めてきました。

 

多職種連携事業”水俣モデル”

 

オンライン診療の展望について

今回のオンライン診療に携わった長井統括外科部長にお話を伺ってみました。

遠隔聴診対応ビデオチャットシステム

 

 

オンライン診療の意義とはどのような点だと思いますか。

患者さんの経過観察が予定通りできるということは大きいと感じています。ご高齢の方や足元がおぼつかない患者さんにとっては、定期的に受診することが難しいと感じて徐々に受診しなくなるというケースが時々あります。

一方オンライン診療となると、患者さんが住んでいる場所で定期的な受診が可能ですので、この点は大きなメリットです。

 

 

オンライン診療の手ごたえはどの感じましたか。

前述のようなご高齢の方や介助が必要な方にとって利用する意義はあると思います。本人や介助者の移動負担が大きく減るなどの効果が期待できます。

なにより診察までの待ち時間を削減できることは大きなメリットです。

 

 

オンライン診療の課題はどのようなところだと思いますか。

オンライン診療は始まったばかりということもあり、世間の認識や受け入れが広がっていないところです。これまで附属久木野診療所で進めてきた実証事業でオンライン診療を実施した患者さんも最初は「対面でなくて大丈夫なの?」と懐疑的な反応でした。ですが実施者からアンケートを取ると好評で、次回もオンライン診療を希望する患者さんが70%弱でした。

初診の患者さんに対してのオンライン診療は難しいと思います。これまでのオンライン診療はすべて定期受診され、信頼関係を築いている患者さんでした。初めての患者さんにはDtoDwithPというように、かかりつけ医同席のもとでオンライン診療を始めると受け入れやすくなるかもしれません。

遠隔聴診対応ビデオチャットシステム2

 

 

また熊本大学医学部より来ていた病院実習生も同席していたため、お話を伺ってみました。

 

 

今回のオンライン診療を見学してどうでしたか。

初めてオンライン診療の現場を見学しましたが、オンライン診療が今後拡大することで患者さんの負担が小さくなると感じました。総合病院など大きい病院となるとどうしても待ち時間が長くなり、特にご高齢の患者さんにとっては負担が大きくなります。その点、オンライン診療だと自宅で待つことができるため患者さんの負担はかなり軽減できるのではないでしょうか。

今回の見学でユニークだと感じたのは、スタッフが介護施設へ準備に行っていたことです。ご高齢の患者さんやセッティングに慣れていない介護職員などにとってオンライン診療は敷居が高いと感じるかもしれませんが、一度セッティングを済ませることで導入の不安がなくなるのではないかと思います。

熊本大学医学部5年生 宮谷 碧

 

まとめ:医師、患者、介助者の三方良しのオンライン診療

介護施設の入所者に向けた今回のオンライン診療ですが、入所者がリラックスして受診できること、介助者が付き添いなどの負担を軽減できること、長時間の診察待ちによる医師の心理的負担を軽減できること、といったメリットがありました。今後オンライン診療が受け入れられていくことで、さらに受診しやすい環境が整っていくことでしょう。

オンライン診療の実証事業は今後も予定しています。皆様のご理解とご協力をよろしくお願いします。

 

国保水俣市立総合医療センター

情報企画室

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