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社会福祉士がどのように活躍しているかご存じですか?

当院の地域医療支援センターには、社会福祉士5名、看護師3名、事務職員3名の計11名が所属しており、治療を進めるうえで不安に感じることなどの相談を受け付けている部署です。治療の相談窓口である地域医療支援センターをもっと知ってもらえるようわかりやすく解説していきます。

集合写真

社会福祉士とは

社会福祉士とは、「社会福祉法及び介護福祉士法」を根拠とした国家資格に合格した人たちを言います。(公)社会福祉振興・試験センターでは、以下のように社会福祉士を紹介しています。

"社会福祉士は、専門的知識及び技術をもって、身体上若しくは精神上の障害があること又は環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ、助言、指導、福祉サービスを提供する者又は医師その他の保健医療サービスを提供する者その他の関係者との連絡及び調整その他の援助を行なうこと(以下「相談援助」といいます。)を業とする者で、一定の受験資格を有する者が、国家試験を受験し、これに合格した者が所定の登録を受けることにより、社会福祉士の資格を取得することができるものです。"

出典:(公)社会福祉振興・試験センター 資格制度の概要

相談風景1

社会福祉士の業務内容

前述のとおり、当院では5名の社会福祉士が勤務しています。社会福祉士が日頃どのような業務に従事しているのか、今回は主な業務について紹介します。

保健福祉手続きに関する相談

介護保険、身体障害者手帳、更生医療、障害年金、指定難病、小児慢性特定疾患等の手続が必要な患者さんへ、制度の概要や申請の方法等についてご案内致します。

 

医療費等の支払いに関する相談

入院や通院の医療費が高額になる患者さんへ、高額療養費制度や限度額適用認定証の申請手続きについてご案内致します。また、必要に応じて他の公的制度の検討も致します。自己負担額を一括で支払うのが困難な患者さんへ、分納手続きをご案内することもあります。

 

入退院調整に関する相談

入院支援については、他院での治療を終えられた患者さんや在宅等で入院対応が必要になられている患者さんの入院調整の対応をしております。退院支援については、病棟ごとに退院支援担当の看護師や医療ソーシャルワーカーを配置しております。急性期の治療を終えられた患者さんが、スムーズに退院を迎えることができるように、必要に応じて介護サービスの利用や療養先の検討等をご案内しております。

 

がんに関する相談

当院は熊本県のがん診療連携拠点病院であり、院内の相談窓口である地域医療支援室にがん相談支援センターを設けております。治療のこと、病院のこと、治療費のこと、生活のこと、こころのこと、仕事のこと、セカンドオピニオンのこと、がんサロンのこと、などについて、専門の看護師や医療ソーシャルワーカーが相談支援をしております。

 

治療と仕事の両立支援に関する相談

治療と仕事の両立支援とは、病気を抱えながらも、働く意欲・能力のある労働者が、仕事を理由として治療機会を逃すことなく、また、治療の必要性を理由として仕事の継続を妨げられることなく、適切な治療を受けながら生き生きと働き続けられる社会を目指す取り組みです。当院では、患者さんの同意のもと、職場で働きやすい体制や環境を整えてもらえるよう、相談支援を行っています。

 

その他相談

上記の相談業務のほかにも、受診・受療援助、心理的・社会的問題の解決援助、地域活動など、様々な相談支援を行っております。

相談風景3

 

相談内容の一例

>事例1:外来通院中の患者さんの意向を踏まえ在宅医療への移行を支援したケース

Aさん 80代 男性 直腸がん の方です。

Aさんは直腸がんの手術をして人工肛門管理となり、外来で化学療法を受けていましたが1か月前に中止となられました。その頃から食事が十分に摂れなくなってきており、エンシュアの処方は受けるも十分な栄養を摂ることができなくなってきていました。ご家族を通じて、本人は「病院に受診をすればおそらく入院になる、入院はしたくない」といった意向があると病院へ報告があり、その日の外来に受診されませんでした。ご家族からは、「自宅での診察や点滴が可能であるならば本人も受け入れると思うので、訪問診療や訪問看護を利用したい」との相談がありました。

MSW対応にて、家族との面談、主治医へ診療情報提供書作成依頼、訪問診療・訪問看護の調整を行い、訪問診療医療機関への受診につなぐことができ、在宅での診察や点滴を受けることができました。

 

>事例2:入院中の患者さんの意向を踏まえ在宅サービス調整をしたケース

Bさん 50代 女性 脊髄小脳変性症 の方です

Bさんは脊髄小脳変性症を13年前に発症され、自宅療養されていました。2か月前から食欲不振・嚥下障害あり、症状改善目的で入院となり、栄養管理の手段として胃瘻造設をされました。在宅での療養継続の希望があり、胃瘻注入・口腔ケア等の家族指導、電動ベッドやリクライニング車椅子の準備等の住環境調整、訪問診療や訪問看護等の支援サービス調整が必要となりました。

MSW対応にて、病状説明同席(家族、主治医、MSW)、面談(家族・ケアマネジャー・担当Ns、MSW)、退院調整会議(家族・ケアマネジャー・訪問診療先Ns・訪問Ns・ヘルパー・主治医・担当Ns・PT・OT・ST・歯科衛生士・管理栄養士・MSW)を行い、在宅での療養生活を続けることができました。

 

まとめ:病気による不安があるときの駆け込み寺

病院を受診する際には人それぞれ悩みがつきものです。そして治療が長期化するに伴いその悩みも大きくなりがちです。そんな時には、当院1階にあります地域医療支援センターをお尋ねください。患者さん本人はもちろん、不安に感じているご家族のご相談にも真摯に対応しています。当院を受診される皆様が安心して治療に専念できるようサポートしておりますので、上記相談内容にかかわらず、ご不明ご心配な点がございましたら、地域医療支援センターまでご相談ください。

国保水俣市立総合医療センター

地域医療支援センター

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令和3年度臨床研修プログラムが修了しました

2022臨床研修修了式

令和3年度臨床研修プログラムが修了しました

 当院は基幹形初期臨床研修プログラムを実施しています。一年次は1週から44週まで当院で研修していただき、45週から52週までは国立病院機構熊本医療センターにて研修を受けていただきます。二年次には1週から32週までの研修を熊本大学病院にて受けていただき、33週から52週までは当院での研修となります。当院研修プログラムとしての特徴は、41週から45週で予定している「地域医療と一般外来の並行研修」です。芦北町の竹本医院にご協力をいただき、在宅医療の研修を実施しています。

 

研修プログラムを受けた感想

 2022年3月25日に研修医修了式が執り行われました。今回は大德勇人研修医1名がプログラムを修了し、新たな医師として羽ばたきます。2年間を通した研修プログラムについて、大德研修医に感想を伺ってきました。

修了式1

 

-当院の臨床研修プログラムを修了された感想をお聞かせください。

水俣市立総合医療センターのほか、熊本医療センター、熊本大学病院とそれぞれ特徴の異なる3つの病院で研修でき、様々な症例を経験できました。特に、水俣市立総合医療センターでは水俣・芦北から鹿児島県北部まで含めた地域の中核病院であり、地域医療というものを肌で感じることができました。充実した研修であったと思います。

 

-当院の研修医は大德研修医だけということで、心細くはありませんでしたか。医局やスタッフの雰囲気はいかがだったでしょうか。

自分一人ということで、正直心細いと思うこともありましたが、医局の先生方や看護師をはじめとしたスタッフの皆様には本当に親切に接していただけて、一人でストレスを抱え込むということはなかったです。とても働きやすい、雰囲気のよい病院だと思いました。

修了式2

 

-水俣で過ごされていかがでしたか。印象に残っているエピソードがあればお聞かせください。

コロナ禍でイベントがあまりなかったのですが、それでも流行が落ち着いているときにはよく飲み会に誘っていただきました。エコパークでのBBQは忘れられません。湯の児、湯の鶴温泉が近いのもよかったです。

 

-最後に、研修でよかった点をお聞かせください。

本当に様々な経験ができました。楽しく、充実した研修であったと思います。ありがとうございました。

修了式3

 

まとめ:県境を越えた地域医療を感じる研修プログラム

 コロナ禍での臨床研修プログラムとなりましたが、ニューノーマル下での臨床研修は今後の診療現場で間違いなく力になることでしょう。令和4年度には3名の基幹型初期臨床医、1名の協力型臨床研修医が当院で研修プログラムを受講します。

 今後も当院は地域医療の最前線に立つ医療機関として、地域医療を担う研修医を育成していきます。医学生の皆様でも病院見学を受け入れていますので、興味がある方はぜひお問い合わせください。

国保水俣市立総合医療センター

臨床研修担当

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