高気圧酸素治療器を設置しています
当院では熊本県南地域で唯一、「高気圧酸素治療器」を導入しています。
高濃度の酸素を取り込むことで病態改善を図ることができます。この記事では、高気圧酸素療法とは何か、どのような症状に効果があるのか、また治療を受ける際の注意についてご紹介します。
高気圧酸素療法とは何か
特殊な機器を用いて大気圧より高い気圧環境下で酸素を吸入してもらうことにより、病態改善を図る治療方法です。高気圧環境下での酸素吸入は大気圧下と比べて10-20倍の酸素量が体内に取り込まれます。血液内の酸素量を上昇させることで、様々な治療効果が期待されます。
当院に設置されている高気圧酸素治療装置は第一種と呼ばれる一人用です。約15分かけて2気圧(水深約10mの気圧と同等)まで加圧します。2気圧の状態では約60分過ごしていただき、約15分かけて元の気圧まで減圧します。カプセル内では約90分間過ごしていただきますが、技士が付き添いますのでご安心ください。
装置内の気圧が上がり始めると、装置の扉がロックされます。圧力が下がるまで開きませんので、事前にお手洗い等を済ませてください。体調が悪くなったらすぐに技士まで申し出てください。
どのような症状に効果があるのか
高気圧酸素療法の大まかな仕組みは、気圧を上げることにより血液中に溶けている酸素の量を増やし、体の隅々まで酸素を行き渡らせることで低酸素状態の改善を図ります。
酸素量を増やすことにより、末梢循環不全による低酸素環境となった末梢組織の改善効果や、酸素の特性を利用して細菌の発育を抑制し抗菌効果を図ります。
高気圧酸素療法には、以下のとおり適応症例があります。また、症例ごとに適応回数がありますのでご確認ください。
高気圧酸素治療適応疾患
適応回数 | 適応症例 |
---|---|
適応7回 |
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適応10回 |
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適応30回 |
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※治療を受けられない場合もありますので、事前に担当医や担当技士にご相談ください。
治療を受ける際に注意することは
1.高気圧酸素治療室内は火気厳禁
高濃度の酸素を使用するため火気厳禁です。装置内への持込物・服装などの制限があります。担当技士よりご案内しますので、ご協力をお願いします。
※持ち込みできない例
- 電気製品
- 貴金属類、可燃物の持ち込み
- 整髪料や化粧品等





2.耳抜きが必要になることも
加圧・減圧時には耳の痛みや違和感があるため、飛行機の中や潜水時のように耳抜きが必要です。
※耳抜きのコツ
- つばを飲み込む
- 大きく口を開けてあくびをする
- 鼻をつまんで、鼻をかむようにゆっくり耳に空気を送り込む
まとめ:高気圧下で酸素をたくさん取り込むことで病態改善が期待できる
私達が普段過ごしている気圧から高い気圧環境となることで、体内にたくさんの酸素を取り入れることができます。当院は熊本県南で唯一、高気圧酸素治療装置を設置しており、高気圧酸素治療装置操作技師の資格を持った臨床工学技士が勤務していますので、安心して治療を受けていただけます。治療のご相談をされたい方は当院までご相談ください。
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国保水俣市立総合医療センター
臨床工学科