11月25日を含む一週間は医療安全推進週間(いい医療に向かってGO)
厚生労働省では、「患者の安全を守る」ことを中心とした総合的な医療安全対策を推進するため、2001年から各関係者の共同行動を「患者の安全を守るための医療関係者の共同行動(ペイシェント・セーフティ・アクション)」と命名し、様々な取り組みを推進しています。その一環として、11月25日(いい医療に向かってGO)を含む一週間を「医療安全推進週間」と定めています。
当院でも本館1階フロアにて各診療技術部、看護部で作成した医療安全に関する啓発パネルを展示し、中央処置室では11月26日まで転倒転落防止ビデオの放映を行っていました。また院内華道部の作品も展示され会場に花を添えていただきました。
今回の医療安全推進週間に併せて、医療安全対策室を中心に当院が取り組んでいる医療安全対策をご紹介します。受診されるすべての患者さんに関係することですので、ぜひ最後までご覧ください。
医療安全とは
医療事故や医療過誤(ミス)のような医療トラブルが発生する前に防止し、安全な医療サービスを提供する取り組みを指します。
医療安全対策室の主な取り組み
インシデント・アクシデントの報告数は、医療安全の指標となります。当院でも全職員が、ヒヤリとした軽微なインシデントから実際患者さんに害を及ぼした事例を報告しています。報告された事例は、毎週開催される医療安全対策室で取り上げ、要因や対策を検討しています。委員はすべての職種から選出され、検討した内容は部署内に持ち帰り共有されます。
転倒転落防止
転倒転落について
病院の環境は、それまで住み慣れた環境とは異なり、生活環境が変化します。さらに病気やケガが加わり、体力や運動機能の低下により、思いがけない転倒や転落が起こりやすくなります。
例えば・・・
- ベッドから落ちたものを拾おうとしてバランスを崩して転落した。
- 看護師の介助でトイレに行ったが、自分で下着を上げようとしてふらつき転倒した。
- いつもは歩けていたのに、発熱してふらついて転倒した。
など
転倒転落防止のために患者さんにお願いしたいこと
- 入院時はスリッパではなくかかとのあるはき物をご持参ください。
- 歩行が不安定な方や介助が必要な方は、無理をせず看護師にお知らせください。
- 発熱や痛みなどで体調が悪い時は、いつもできていたことができなくなります。遠慮せず看護師にお知らせください。
※入院時に全ての患者さんに視聴していただく「転倒転落防止ビデオ」から一部抜粋しています。
患者誤認防止
患者誤認について
患者さんの間違いは、重大な事故につながります。お名前の確認は医療安全の基本です。様々な場面で患者さんの間違いが起こります。
例えば・・・
- 診察室でAさんが呼ばれたが、耳が遠いBさんは自分が呼ばれたと思い診察室に入った。
- 食事を配膳するときに、同姓の名前の患者さんに間違って配った。
など
患者誤認の対策として
- 注射や輸血を行う場合は、ポケットチャートという認証システムにより、患者さん、伝票、実施する看護師のバーコードを読み込ませ、正しいか確認してから行います。
- さらにお薬や注射の時、食事を配膳するときなど、様々な場面で患者さん本人にお名前をフルネームで名乗っていただき確認しています。何度もお聞きしますが、ご協力をお願いします。
- 治療や検査時に間違いに気づかれた場合や疑問に思われた場合は、遠慮なくスタッフに声をかけてください。
まとめ:医療従事者と患者さんはパートナー
患者さんと医療者とは、病気の治療という共通の目的のために、お互いに協力し合うパートナーです。患者さんにも積極的に医療に参加していただくことで、安心・安全で心の通う医療を目指していきたいと思います。
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国保水俣市立総合医療センター
医療安全対策室 室長 棚平 健
医療安全管理者 尾川 ひろえ