令和4年度(2022年度)
国保水俣市立総合医療センター
病院指標
当センターでは、平成28年度より、DPCデータを利用し、全国統一の定義と形式に基づいた指標を作成し、市民の皆様へ情報公開しています。この指標によって、当センターの特徴や急性期医療の現状をご理解いただくことを目的としています。
今回、公開する指標は、令和4年度(令和4年4月~令和5年3月)中に当センターを退院された患者様のデータを対象としています。ただし、DPC包括対象外である公害、労災や自動車自賠責保険・自費等のデータは含まれていません。
DPC(診断群分類別包括制度)とは、「診断群分類別包括評価方式」を参照ください。
病院指標とは、病院の個々の機能や診療の状況を具体的に数値化し、分かりやすく示したものです。当センターは、病院指標を評価、分析することで、今後の医療の質の向上に努めていきます。
※本指標は毎年9月に更新されます。
- 指標1 退院患者数
年齢階級別退院患者数
- 指標2 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
- 指標3 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
- 指標4 成人市中肺炎の重症度別患者数等
- 指標5 脳梗塞の患者数等
- 指標6 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
- 指標7 その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
指標1 退院患者数
年代の患者数は、入院した日の満の年齢を年代別に集計しています。
年齢階級別退院患者数
年齢区分 | 0~ | 10~ | 20~ | 30~ | 40~ | 50~ | 60~ | 70~ | 80~ | 90~ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
患者数 | 119 | 59 | 31 | 79 | 80 | 195 | 420 | 820 | 809 | 376 |
地域医療支援病院である当センターは、地域の中核病院として、0歳代から高齢者まで幅広く医療を提供しています。特に、60歳以上は81%と多く、症状が重症になりやすい高齢者の入院が多い傾向にあります。また、0歳代も多く、小児医療に積極的に取り組み地域の小児医療機関から多くの患者様をご紹介いただいています。
指標2 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
呼吸器内科
DPCコード | DPC名称 | 症例数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
040040xx9900xx | 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし | 33 | 19.21 | 13.49 | 6.06 | 74.58 | |
040110xxxxx0xx | 間質性肺炎 手術・処置等2なし | 20 | 24.50 | 18.57 | 15 | 76.30 | |
040040xx99040x | 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2-4あり 副傷病なし | 11 | 21.73 | 8.60 | 0 | 73.91 | |
040200xx99x00x | 気胸 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | - | - | 9.24 | - | - | |
040081xx99x0xx | 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし | - | - | 21.11 | - | - |
当科は、内科的呼吸器疾患全般を対象としています。 入院患者様の疾患の内訳は、1、3番目に多いのが肺癌の治療で、化学療法は入院及び外来にて行われております。医師や緩和ケア認定看護師を含む緩和ケアチームを中心とした身体的、精神的苦痛等に対する緩和ケア体制を充実させ治療を提供しています。5番目に多いのが誤嚥性肺炎で、超高齢社会を迎えつつ日本では今後ますます誤嚥性肺炎の割合が高くなることが予想されます。
循環器内科
DPCコード | DPC名称 | 症例数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
050130xx9900x0 | 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 | 76 | 29.74 | 17.54 | 13.16 | 83.91 | |
050210xx97000x | 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1-なし、1,3あり 手術・処置等2なし 副傷病なし | 39 | 11.26 | 9.89 | 10.26 | 80.90 | |
050050xx0200xx | 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1-なし、1,2あり 手術・処置等2なし | 32 | 5.22 | 4.26 | 0 |
72.06 |
|
050050xx9910x0 | 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1-1あり 手術・処置等2なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 | 30 | 3.20 | 3.04 | 3.33 | 71.80 | |
050070xx99000x | 頻脈性不整脈 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | 28 | 3.11 | 6.24 | 3.57 | 74.04 |
循環器内科では心不全の入院が最も多く、平均年齢は約84歳と高齢のため、介護サービスの導入や調整に時間がかかることも多く、平均在院日数も約1ヶ月と長くなっています。その他心臓カテーテル検査や冠動脈形成術(ステント治療、風船療法)、徐脈性不整脈に対するペースメーカー植え込み術・交換術や頻脈性不整脈に対する薬物治療・電気的除細動での目的入院も多くなっています。
小児科
DPCコード | DPC名称 | 症例数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
040090xxxxxxxx | 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) | 15 | 4.93 | 5.89 | 0 | 1.80 | |
080270xxxx1xxx | 食物アレルギー 手術・処置等1あり | 14 | 1.00 | 2.09 | 0 | 1.93 | |
060380xxxxx0xx | ウイルス性腸炎 手術・処置等2なし | 11 | 3.55 | 5.70 | 0 | 5.36 | |
050200xx99xxxx | 循環器疾患(その他) 手術なし | 10 | 2.00 | 6.96 | 0 | 13.2 | |
140010x199x0xx | 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(2500g以上) 手術なし 手術・処置等2なし | 10 | 6.4 | 6.13 | 0 | 0 |
小児科では気管支炎や肺炎などの気道感染による入院数が多く、続いて食物アレルギーの精査入院、ウイルス性腸炎など腸管感染に伴う入院数が多くなっています。起立性調節障害の検査や教育に伴う入院数も多くなっています。
外科
DPCコード | DPC名称 | 症例数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060335xx02000x | 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | 22 | 6.41 | 6.93 | 4.55 | 66.09 | |
060330xx02xxxx | 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 | 20 | 6.90 | 6.07 | 0 | 72.00 | |
090010xx010xxx | 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1なし | 19 | 11.58 | 9.99 | 0 | 69.95 | |
060035xx010x0x | 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 副傷病なし | 13 | 25.62 | 15.40 | 0 | 74.08 | |
060050xx02xxxx | 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 肝切除術 部分切除等 | 11 | 11.91 | 14.50 | 0 | 71.55 |
外科で扱う症例は、胆のう結石、乳がん、結腸が多い状態です。治療方針・術式は、外科・消化器内科のカンファレンスで検討した上で決定していきます。胆のう摘出術はほとんど全てが腹腔鏡手術で行っています。クリニカルパスという入院中の計画表を用いて標準化した術後管理を行うことで、乳房切除術は術後約2週間、鼠径ヘルニア・下肢静脈瘤・胆のう摘出術は1週間以内で退院が可能です。高齢者の方はなるべく早く自宅での生活が可能なように術後リハビリテーションや環境整備を行って退院していただいています。
整形外科
DPCコード | DPC名称 | 症例数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
160800xx01xxxx | 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 | 93 | 55.46 | 26.42 | 27.96 | 86.90 | |
160690xx99xxxx | 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし | 55 | 47.47 | 20.09 | 12.73 | 81.40 | |
070230xx01xxxx | 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 | 48 | 47.00 | 22.44 | 0 | 75.67 | |
07040xxx01xxxx | 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。)人工関節再置換術等 | 24 | 47.83 | 20.14 | 0 | 73.00 | |
160850xx01xxxx | 足関節・足部の骨折・脱臼 骨折観血的手術 鎖骨、膝蓋骨、手(舟状骨を除く。)、足、指(手、足)その他等 | 13 | 42.15 | 18.34 | 0 | 69.46 |
当科での対象疾患は大腿骨近位部骨折、腰椎圧迫骨折などご高齢の方に多い骨折、変形性関節症に対する人工関節置換などが上位を占めています。当院では回復期病棟を有していることから、自宅退院が可能となるまでリハビリを行うことができ、必要があれば介護保険申請や自宅改修などの退院調整を行っているため平均在院日数は長くなっています。
産婦人科
DPCコード | DPC名称 | 症例数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
120010xx99x50x | 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2-5あり 副傷病なし | 12 | 6.58 | 4.19 | 0 | 67.17 | |
120180xx01xxxx | 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 | - | - | 9.38 | - | - | |
120010xx97x00x | 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2なし 副傷病なし | - | - | 8.72 | - | - | |
120010xx99x40x | 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2-4あり 副傷病なし | - | - | 4.89 | - | - | |
120060xx01xxxx | 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等 | - | - | 9.27 | - | - |
産婦人科では、帝王切開や妊娠早期の出血、切迫流産、流産等、妊娠関係の症例が多くを占めています。通常の分娩は保険請求とはならないため、数には入っておりません。卵巣がんの化学療法ありは入院にてくり返し行うため、件数が多くみえております。子宮筋腫の治療も多く行っております。子宮筋腫は成人女性の約4割は罹患していると云われています。子宮筋腫は良性疾患であることが多く、その存在のみで手術の適応となることはありません。過多月経があり、投薬治療で貧血がなかなか改善しないとか、圧迫感があるとか、付随する症状がある場合に手術を勧めるのが一般的です。
皮膚科
DPCコード | DPC名称 | 症例数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
080010xxxx0xxx | 膿皮症 手術・処置等1なし | 21 | 16.1 | 13.50 | 0 | 67.38 | |
161060xx99x0xx | 詳細不明の損傷等 手術なし 手術・処置等2なし | 10 | 2.00 | 2.86 | 0 | 49.00 | |
080110xxxxx0xx | 水疱症 手術・処置等2なし | - | - | 28.56 | - | - | |
070560xx97xxxx | 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術あり | - | - | 34.59 | - | - | |
161070xxxxx00x | 薬物中毒(その他の中毒) 手術・処置等2なし 副傷病なし | - | - | 3.61 | - | - |
皮膚科では皮膚の感染症である膿皮症での入院加療を最も多く行っております。次いで詳細不明の損傷等、水泡症、自己免疫疾患、薬物中毒の症例が続いています。その他、皮膚の悪性腫瘍、アレルギー性疾患である中毒疹、褥瘡による入院など幅広く診療を行っております。
泌尿器科
DPCコード | DPC名称 | 症例数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
110070xx03x0xx | 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2なし | 24 | 9.75 | 6.85 | 0 | 78.71 | |
110310xx99xxxx | 腎臓又は尿路の感染症 手術なし | 23 | 16.22 | 13.61 | 13.04 | 76.65 | |
11012xxx97xx0x | 上部尿路疾患 その他の手術あり 副傷病なし | 20 | 5.80 | 7.20 | 10.00 | 80.70 | |
110070xx03x20x | 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2-2あり 副傷病なし |
18 | 10.28 | 6.66 | 0 | 74.44 | |
110420xx02xxxx | 水腎症等 経尿道的尿管ステント留置術等 | 10 | 2.10 | 4.11 | 10.00 | 83.70 |
泌尿器科では、膀胱癌に対しての手術ありの症例が最も多くなっています。次に多いのは腎臓又は尿路の感染症 手術なしの症例で、上部尿路疾患(尿管結石、結石性腎盂腎炎等)の手術ありの症例があります。水腎症の尿管ステント留置術による入院は、在院日数は2日と短くなっています。当センターには、健康管理センターも併設され、前立腺癌検査(PSA)にて高値を指摘された患者様の前立腺生検の症例が増加傾向にあります。
眼科
DPCコード | DPC名称 | 症例数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
020110xx97xxx0 | 白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼 | 54 | 2.00 | 2.63 | 0 | 75.39 | |
眼科では、白内障の手術の症例が最も多く、在院日数2日で最も短い在院日数となっています。当センターでは熊本大学からの派遣による非常勤医師により診療が行われています。白内障とは、眼の中にある水晶体が白く濁って視力が低下する病気です。水晶体が混濁すると、ものが見えにくい、眼がかすむ、まぶしい、ものがだぶってみえるなど様々な症状がでます。水晶体が混濁する原因は加齢や糖尿病、外傷、薬剤性などがあります。
消化器内科
DPCコード | DPC名称 | 症例数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060340xx03x00x | 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 副傷病なし | 97 | 17.84 | 8.94 | 10.31 | 79.56 | |
060210xx99000x | ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | 16 | 11.63 | 9.00 | 0 | 70.50 | |
060100xx01xxxx | 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 | 15 | 3.33 | 2.64 | 0 | 69.20 | |
060140xx97x0xx | 胃十二指腸潰瘍、胃憩室症、幽門狭窄(穿孔を伴わないもの) その他の手術あり 手術・処置等2なし | 15 | 19.93 | 10.88 | 6.67 | 77.93 | |
060102xx99xxxx | 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし | 14 | 10.00 | 7.63 | 0 | 70.71 |
消化器内科では総胆管結石や腫瘍による胆管炎の症例が1番多くなっております。こちらは基本的に内視鏡を使って胆管ステントを留置する胆管ドレナージを行っています。3番目は小腸・大腸の良性腫瘍に対する内視鏡治療となっています。腫瘍の種類や大きさによって治療法が異なっております。また、今回の集計では対象外となっておりますが、日帰りと1泊の大腸ポリープの治療は年間250例ほど行っております。5番目は憩室炎や憩室出血などの憩室疾患です。大腸の憩室疾患が主であり、治療として憩室炎であれば抗生剤による点滴治療、出血であれば内視鏡的止血術を行っております。
脳神経外科
DPCコード | DPC名称 | 症例数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
160100xx97x00x | 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 副傷病なし | 32 | 24.56 | 10.14 | 21.88 | 80.88 | |
010040x099000x | 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | 23 | 56.04 | 19.58 | 34.78 | 73.17 | |
160100xx99x00x | 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | 12 | 21.50 | 8.54 | 16.67 | 71.75 | |
010200xx99x00x | 水頭症 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | - | - | 6.57 | - | - | |
010230xx99x00x | てんかん 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | - | - | 7.33 | - | - |
脳神経外科では、頭蓋・頭蓋内損傷、非外傷性頭蓋内出血の症例が多くなっており、当地域の人口の超高齢化を反映しているものと思われます。また、水頭症 手術・処置なしの症例が多く、これは積極的に水頭症の検査を行っているからです。平均在院日数が全国平均より長いのは、回復期リハビリテーションの期間を含めているからです。
脳神経内科
DPCコード | DPC名称 | 症例数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
010060x2990401 | 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2-4あり 副傷病なし 発症前Rankin Scale 0、1又は2 | 23 | 47.39 | 15.97 | 17.39 | 75.17 | |
010060x2990201 | 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2-2あり 副傷病なし 発症前Rankin Scale 0、1又は2 | 16 | 29.44 | 16.01 | 25 | 70.63 | |
010110xxxxx4xx | 免疫介在性・炎症性ニューロパチー 手術・処置等2-4あり | 15 | 20.53 | 16.50 | 0 | 65.4 | |
010230xx99x00x | てんかん 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | 12 | 9.83 | 7.33 | 0 | 60.92 | |
010060x2990411 | 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2-4あり 副傷病1あり 発症前Rankin Scale 0、1又は2 | 10 | 55.6 | 17.76 | 10 | 81.4 |
脳神経内科は、一過性脳虚血発作を含む脳血管障害の症例が6-7割を占めています。その他神経救急疾患から慢性疾患まで幅広く対応しております。平均在院日数が全国平均より長いのは、当センター内でリハビリテーションを行い、ADLの向上が確認できてから退院するためです。
代謝内科
DPCコード | DPC名称 | 症例数 | 平均在院日数(自院) | 平均在院日数(全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
10007xxxxxx1xx | 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等2-1あり | 18 | 20.28 | 14.28 | 5.56 | 71.39 | |
10007xxxxxx0xx | 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等2なし | 14 | 16.79 | 10.79 | 7.14 | 71 | |
100393xx99xxxx | その他の体液・電解質・酸塩基平衡障害 手術なし | 11 | 20.27 | 10.57 | 18.18 | 74.64 | |
100040xxxxx00x | 糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡 手術・処置等2なし 副傷病なし | - | - | 13.43 | - | - | |
10006xxxxxx1xx | 1型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等2-1あり | - | - | 13.16 | - | - |
糖尿病・内分泌センター(代謝内科)は、水俣・芦北地区から鹿児島県の出水・阿久根・伊佐・長島にわたる多くの地域からの患者様を受け入れています。現在、血糖コントロールや合併症精査を目的とした糖尿病の患者様の入院症例が最も多くなっています。当センターでは、「糖尿病入院パス」「糖尿病短期入院パス」を用いて、すべての入院患者様にきめ細やかな検査、指導が行えるように努めています。専門医や糖尿病認定看護師に加え、(日本糖尿病療養指導士・熊本地域糖尿病療養指導士等)専門的な知識をもった管理栄養士、理学療法士、臨床検査技師、作業療法士、歯科衛生士といった様々な職種を含むチーム医療によって、糖尿病をはじめ高血圧症、脂質異常症、肥満症などの生活習慣病の治療に取り組んでいます。また、低ナトリウム血症や低カリウム血症などの電解質異常の患者様も増加してきています。電解質輸液や内服等による治療、原因の精査等を行っています。
指標3 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
再発 | 病期分類基準※ | 版数 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
stageⅠ | stageⅡ | stageⅢ | stageⅣ | 不明 | ||||
胃癌 | - | - | - | - | - | - | 1 | 8 |
大腸癌 | - | - | - | - | - | 10 | 1 | 8 |
乳癌 | 10 | - | - | - | - | 20 | 1 | 8 |
肺癌 | - | - | - | 27 | - | 36 | 1 | 8 |
肝癌 | - | - | - | - | - | 24 | 1 | 8 |
※1:UICC TNM分類,2:癌取り扱い規約
がんは、①原発巣の大きさと進展度、②所属リンパ節への転移状況、③遠隔転移の有無の3つのカテゴリによって、Ⅰ期(早期)からⅣ期(末期)の4病期(ステージ)に分類発症されます。
「初発」とは、当院において当該腫瘍の診断、あるいは初回治療を実施した場合を指します。
「再発」とは、当院・他院を問わずに初回治療が完了した後、当院にて患者様を診療した場合や、がん寛解後に局所再発・再燃または新たな遠隔転移をきたした場合を指します。
治療は手術、化学療法、放射線治療が治療の柱となり、がんの種類と進行度によって治療法は異なります。初期のがんは手術のみの治療が多く、入院回数も1回の場合が多いですが、進行しているがんは化学療法が治療の主体となり、入退院を繰り返すため、件数として多くなっています。
指標4 成人市中肺炎の重症度別患者数等
患者数 | 平均在院日数 | 平均年齢 | |
---|---|---|---|
軽症 | - | - | - |
中等症 | 23 | 17.83 | 77.17 |
重症 | - | - | - |
超重症 | - | - | - |
不明 | - | - | - |
成人(15歳以上)の肺炎の患者様について重症度別に患者数、平均在院日数、平均年齢を集計したものです。軽症(外来治療)、中等症(外来または入院治療)、重症(入院治療)、超重症(入院治療かつ集中治療)に分類されます。
当センターでは中等症の患者様が多い結果となりました。
指標5 脳梗塞の患者数等
発症日から | 患者数 | 平均在院日数 | 平均年齢 | 転院率 |
---|---|---|---|---|
3日以内 | 94 | 37.02 | 78.70 | 20.18 |
その他 | 20 | 48.90 | 77.05 | 4.39 |
指標6 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
診療科ごとの手術について患者数上位5つを集計しています。手術(処置)のなかで輸血、創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術は集計対象外となっています。指標に示されるそれぞれの項目に関しては以下の通りです。
- Kコード
手術術式の点数表コードです。 - 名称
手術術式の名称です。 - 平均術前日数
入院日から手術日までの日数の平均です。手術日当日は含まれません。 - 平均術後日数
手術日から退院日までの日数の平均です。手術日当日は含まれません。 - 転院率
該当する患者数の内、当院から他の病院に移動して継続入院(転院)することとなった患者様の割合です。
※患者数が10未満の場合は“-”で表記しています。
循環器内科
Kコード | 名称 | 症例数 | 平均 術前日数 | 平均 術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
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K5492 | 経皮的冠動脈ステント留置術 不安定狭心症に対するもの | 27 | 0.04 | 11.59 | 0 | 69.85 | |
K5972 | ペースメーカー移植術 経静脈電極の場合 | 26 | 1.69 | 11.27 | 7.69 | 80.46 | |
K5493 | 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの | 24 | 1.75 | 6.29 | 4.17 | 74.71 | |
K597-2 | ペースメーカー交換術 | 17 | 5.12 | 10.35 | 17.65 | 85.24 | |
K5461 | 経皮的冠動脈形成術 急性心筋梗塞に対するもの | 10 | 0 | 15.50 | 0 | 79.10 |
循環器内科では狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患に対する経皮的冠動脈形成術(ステント治療・風船治療)などカテーテル治療が多くなっています。これは手や足の動脈から心臓まで細い管(カテーテル)を通して血管の狭窄部分を治療する方法で、病状によって緊急で行ったり、全身状態を整えて待機的に行うなど様々なタイミングで行っています。次いで徐脈性不整脈に対して行う新規のペースメーカー移植術、ペースメーカーの電池消耗に対してのペースメーカー電池交換術が多くなっています。
外科
Kコード | 名称 | 症例数 | 平均 術前日数 | 平均 術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
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K672-2 | 腹腔鏡下胆嚢摘出術 | 44 | 1.39 | 4.55 | 2.27 | 69.77 | |
K719-3 | 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 | 13 | 5.77 | 17.85 | 0 | 73.92 | |
K695-21イ | 腹腔鏡下肝切除術 部分切除 単回の切除によるもの | 10 | 1.30 | 9.60 | 0 | 71.80 | |
K718-21 | 腹腔鏡下虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの | 10 | 0.60 | 4.30 | 0 | 27.40 | |
K4765 | 乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術(腋窩鎖骨下部郭清を伴うもの)・胸筋切除を併施しないもの | - | - | - | - | - |
外科では、腹腔鏡下胆のう摘出術が最も多く、胆石症、胆のうポリープや胆のう炎における標準的な治療法です。傷口が大きい開腹手術と比較すると、傷が小さく細菌感染が少ないことがメリットとなっています。1~2cm程度の切開創からカメラをお腹の中に挿入し、炭酸ガスでお腹を膨らまし、テレビモニターを見ながら鉗子という特殊な器具を使用し手術を行います。術後の翌日から通常通りの日常生活を送ることができ、入院期間は5~7日程度となっています。 上記手術はいずれも、クリニカルパスという入院中の計画表を用いて標準化した術後管理を行っています。
整形外科
Kコード | 名称 | 症例数 | 平均 術前日数 | 平均 術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
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K0461 | 骨折観血的手術(大腿)<内固定> | 77 | 2.66 | 54.75 | 25.97 | 86.99 | |
K0821 | 人工関節置換術 肩、股、膝 | 70 | 3.13 | 41.56 | 0 | 74.53 | |
K0811 | 人工骨頭挿入術(股) | 30 | 3.07 | 42.23 | 23.33 | 83.77 | |
K0462 | 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨 | 22 | 1.41 | 25.73 | 0 | 65.68 | |
K0463 | 骨折観血的手術 鎖骨、膝蓋骨、手(舟状骨を除く。)、足、指(手、足)その他 | 12 | 3.42 | 26.92 | 8.33 | 61.83 |
当科での手術はご高齢の方に多い大腿骨近位部骨折に対する手術や変形性関節症に対する人工関節置換術などが上位を占めています。大腿骨近位部骨折に対しては骨折部位や骨折形態に応じて骨接合、人工骨頭置換などの手術を行っています。人工関節に関しては、股関節、膝関節、肩関節などの関節置換を行っており、膝関節に関しては骨切り術、単関節置換、全関節置換など、肩関節に関してはリバース型人工関節置換など症例に応じて手術を行っています。
泌尿器科
Kコード | 名称 | 症例数 | 平均 術前日数 | 平均 術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
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K783-2 | 経尿道的尿管ステント留置術 | 47 | 0.85 | 7.70 | 8.51 | 80.57 | |
K8036イ | 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 電解質溶液利用のもの | 43 | 1.35 | 7.79 | 0 | 76.95 | |
K8411 | 経尿道的前立腺手術(電解質溶液利用のもの) | - | - | - | - | - | |
K6121イ | 末梢動静脈瘻造設術(内シャント外シャント設置) | - | - | - | - | - | |
K775 | 経皮的腎(腎盂)瘻造設術 | - | - | - | - | - |
泌尿器科では、尿路結石嵌頓に対しての経尿道的尿管ステント留置術が最も多く、次に膀胱癌に対しての経尿道的膀胱悪性腫瘍手術。3番目に経尿道的前立腺手術となっています。
眼科
Kコード | 名称 | 症例数 | 平均 術前日数 | 平均 術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
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K2821ロ | 水晶体再建術 眼内レンズを挿入する場合 その他のもの | 54 | 0.00 | 1.00 | 0 | 75.39 | |
眼科では、白内障に対する水晶体再建術が最も多く、在院日数1日で最も短い在院日数となっています。当センターでは熊本大学からの派遣による非常勤医師によって手術を実施しています。白内障の手術は以前に比べ短い時間で安全にできるようになりました。手術は濁った水晶体を超音波で取り除き、代わりに眼内レンズを入れます。手術後は眼鏡等で視力を矯正することがあります。
消化器内科
Kコード | 名称 | 症例数 | 平均 術前日数 | 平均 術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
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K688 | 内視鏡的胆道ステント留置術 | 95 | 0.86 | 24.57 | 9.47 | 80.24 | |
K654 | 内視鏡的消化管止血術 | 24 | 3.00 | 19.17 | 4.17 | 79.71 | |
K708-3 | 内視鏡的膵管ステント留置術 | 12 | 3.92 | 22.17 | 8.33 | 73.92 | |
K7211 | 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2センチメートル未満 | 11 | 0.64 | 2.18 | 0 | 70.18 | |
K6852 | 内視鏡的胆道結石除去術 その他のもの | 10 | 1.50 | 6.20 | 10.00 | 76.30 |
消化器内科では内視鏡的胆道ステント留置術が1番多くなっています。上記しましたように、総胆管結石や腫瘍による胆管炎に対する治療として行っています。2番目は内視鏡的消化管止血術となっており、出血性胃・十二指腸潰瘍や大腸憩室などの止血が主な内容です。3番目は内視鏡的胆道結石除去術となっております。こちらは総胆管結石に対しての治療で、1番の内視鏡的胆道ステント留置術で胆管炎を落ち着けたあとに行うことが多くなりますので、術後在院日数に差が出ております。
当院では内視鏡治療(特に食道・胃・十二指腸・大腸の早期癌)を積極的に行っており、また、カプセル内視鏡とダブルバルーン小腸内視鏡がありますので、小腸の検査・治療も行うことが可能です。
人工透析科
Kコード | 名称 | 症例数 | 平均 術前日数 | 平均 術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
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K6121イ | 末梢動静脈瘻造設術 内シャント造設術 単純なもの | 11 | 15.09 | 23.55 | 0 | 68.00 | |
K607-3 | 上腕動脈表在化法 | - | - | - | - | - | |
K608-3 | 内シャント血栓除去術 | - | - | - | - | - | |
K6105 | 動脈形成術、吻合術(その他の動脈) | - | - | - | - | - | |
K6121ロ | 末梢動静脈瘻造設術(人工血管使用) | - | - | - | - | - |
人工透析科では、シャント増設術が最も多く、次に上腕動脈表在化法や内シャント血栓除去術を実施しています。
脳神経外科
Kコード | 名称 | 症例数 | 平均 術前日数 | 平均 術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
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K164-2 | 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 | 29 | 0.34 | 18.55 | 13.79 | 80.45 | |
K1771 | 脳動脈瘤頸部クリッピング 1箇所 | - | - | - | - | - | |
K145 | 穿頭脳室ドレナージ術 | - | - | - | - | - | |
K1643 | 頭蓋内血腫除去術(開頭して行うもの) 脳内のもの | - | - | - | - | - | |
K190-5 | 重症痙性麻痺治療薬髄腔内持続注入用植込型ポンプ薬剤再充填 | - | - | - | - | - |
脳神経外科では、慢性硬膜下血腫に対する穿孔洗浄術が最も多くなっています。慢性硬膜下血腫とは、慢性的に硬膜下に血腫が貯留してくる疾患で、高齢者に多くみられます。軽微な頭部打撲などの外傷が誘因となる、外傷性疾患と考えられています。
次に多いのは、脳動脈瘤頸部クリッピング手術となります。
指標7 その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
DPC | 傷病名 | 入院契機 | 症例数 | 発生率 |
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130100 | 播種性血管内凝固症候群 | 同一 | 0 | 0 |
異なる | 3 | 0.10 | ||
180010 | 敗血症 | 同一 | 6 | 0.20 |
異なる | 1 | 0.03 | ||
180035 | その他の真菌感染症 | 同一 | 1 | 0.03 |
異なる | 1 | 0.03 | ||
180040 | 手術・処置等の合併症 | 同一 | 13 | 0.44 |
異なる | 3 | 0.10 |
手術・処置等の合併症の内訳
・人工関節関連(ゆるみ、破損、脱臼) 6件
・ペースメーカ関連 4件
・透析シャント関連 2件
・術後髄膜炎 1件
・大腸内視鏡関連 1件
・腹腔鏡下切除術 1件
・腱移植術 1件
更新履歴
- 2023/09/30令和4年度(2022年度)版病院指標を公開しました。